2022年03月16日
相手をよく知ることとは
いけばな作品をご覧になってくださった方から
「一体全体どこからアイディアをひねり出しているのですか?」と質問されることがあります
なので、この作品の解説をさせていただこうと思う所存です
わたしが通っている教室には、陶芸家の方がいて、
この教室にはその方の花器が大量にあります
なので、その陶芸家の方と一緒の稽古のときは
極力その方の花器を使うよう心がけております
今回はコレを使いましょう
ちょっと上から見ますと穴がたくさん空いてます根、
それから縁も立ってます
作者の方としては
「この穴使ってネ、縁も利用してネ」ちゅうことですよね
なので、ソコを最大限に利用するのデス
花材はこれにしましょう
春の花木です、
枝ものが乏しくなってきている昨今、
こんな立派な枝ものがあるとテンションMAXになります
椿はがんがん折り矯めが効きますので、自由に形を構成できます
ムシカリはぐにゃぐにゃに曲がるので、ぐ~~~んと曲げて使いましょう
と、それぞれ植物の特性を鑑みて構成を考えます
まずは、穴を利用して椿を登りあがるように構成します
穴の大きさが違うので、ぺったし!というのを選べるので楽チンですよョ
お次はムシカリをぐにー、と矯めて器の縁を利用して留めます
うん、なかなかにダイナミックでカッチョええね
(水もいっぱいに張るとカッチョよさ増し増し)
器からの立ち上がりを明確にするために
下の方の葉は取って枝の茶色を見せます
すると、どうでしょう?
すっくと立ちあがった構成がキリリと見えますネ
器の特徴をしっかり捉える、花材の性格を熟知しておく
花器の作者の想いに寄り添い、植物の性質を知って利用する
相手をよく知れば、その想いに適切に寄り添うことができる
何事に対しても当てはまることだと思います
いけばなの稽古ってこれを毎週するんだから、
嫌でもこの感覚は身につくんだよね
ちゅうハナシでした
Posted by 秋峰 at 19:35│Comments(0)